
今回は最近話題になっている格安スマホのメリット・デメリットを携帯業界で働く立場から紹介していきたいと思います。
格安、、いい響きですね。僕自身「格安」という言葉は大好きです。
特に毎月家計を圧迫する携帯代金はどうにかして下げたいものです。
本ページでは格安スマホの概念的な部分から、実際にオンラインでSIMロック解除する方法まで説明していきます。
(文末にソフトバンクiPhone6sのSIMロック解除の実体験例を載せているので、SIMロック解除のやり方だけ知りたい方は序盤は飛ばしてお読みください。)
格安スマホ(格安SIM)とはどう安いのか
ここ1年ほどでしょうか。
テレビでも「格安スマホが大人気」といったニュースを良く耳にします。docomo・au・ソフトバンクといった、いわゆる大手携帯キャリア三社の「携帯料金が高い」といった消費者の声から、その対策案として「格安スマホ」が生まれました。
格安スマホは大手携帯キャリア(docomo、au、ソフトバンク)に比べて通話料金、通信費(ネット料金)、携帯本体代金が格安になります。
とはいえ、漠然と安くなることは分かっていても、結局のところ「どういった仕組みで安くなるのか」「実際に安くするにはどうすればいいのか」まで理解している人は少ないと思います。
まずは格安スマホの安くなる背景を説明していきます。
まずはMVNOを知る
MVNO。。格安スマホを調べると必ずと言っていいほどこの言葉が出てきます。
MVNOとは
①MNOの提供する移動通信サービスを利用して、またはMNOと接続して、移動通信サービスを提供する電気通信事業者であって、
②当該移動通信サービスに係る無線局を自ら開設しておらず、かつ、運用をしていない者
これが分からなくて「何か怖いし分からないからいいや」という方もいるのではないでしょうか。でも大丈夫です、別に難しくありません。
簡単に言うと「自分たちでは電波を飛ばす基地局を持たず、大手キャリアの電波を借りてそれを消費者に提供する業者のこと」
うーんまだ分かり辛いですね。
ずばり「docomo(やauなど)の電波をある程度まとめて買って、それを売ること」。
すなわち格安SIMのことです。最近ではmineoとか楽天モバイルなどが有名ではないでしょうか。
消費者が大手キャリア(docomoなど)と直接契約するのではなくMVNO(mineoなど)がdocomoから一定量の電波を買い、それを格安SIMという形で消費者に売ります。
MVNO業者は大手キャリアよりも値段設計を安くしているので、格安SIMと呼ばれるわけです。(ネット代金や通話料金)
要は電波の転売ですね。笑
豆知識ですが、MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator」の頭文字をとった言葉となり、日本語では「仮想移動体通信事業者」なんて言います。
対して大手携帯キャリア三社はMNO「Mobile Network Operator」、日本語では「移動体通信事業者」と言います。MVNOには「仮想」という言葉がつきます。自分たちでは電波を飛ばす基地局を持たないから「仮想」なのでしょうね。
整理すると
- MVNO(仮想移動体通信事業者)→mineoとか楽天モバイル
- MNO(移動体通信事業者)→docomo・au・ソフトバンク
ということです。

そもそもSIMとは?
「格安SIM格安SIMって結局、SIMって何なのよー!!」という声が聞こえてきそうですね。。笑
SIMとは携帯に入っている電話番号を決めたり通信をするときに必要なICカードのことを指します。
実は普段使っている携帯(ガラケー、スマホ)やタブレットには通信をするためのICカードが入っていて、そのICカードによってそのキャリア(docomoなど)の電波を利用することができます。docomoのガラケーをお使いの方はFOMAカードって聞いたことありませんか?それのことです。
「電話かけ放題」や「データ量〇〇GB使い放題」といった契約がこのSIMにすべて組み込まれているわけですね。なのでこのSIMカードを安いものに差し替えれば、毎月の月額料金が安くなるというわけです。

格安SIMを使うにはSIMフリー端末が必要
ここまでで、「なーんだ、じゃあ格安SIMを契約して差し替えればいいんだ」と思った方。半分正解です。実は格安SIMを使うにはまだ乗り超えなくてはいけない壁があるのです。
その壁とは、格安SIMが使える端末を用意すること。
SIMカードを差し替えればそのまま使えるわけではないのです(一部例外あり、後述します)。
格安SIMが使える端末とは
- 最初からSIMフリー端末として購入したもの
- 大手キャリアで購入した端末をSIMロック解除したもの
となっています。また新しい言葉が出てきましたね。。
順を追って説明します。
大手キャリアのスマホにはSIMロックがかかっている
携帯の購入方法には
- docomoなどの通信会社から買う
- 携帯端末を作っている会社(Appleなど)から買う
の2種類があります。「2.携帯端末を作っている会社」から携帯を買った場合は携帯会社の縛りがないため、SIMフリー端末と呼ばれそのまま格安SIMを挿せば利用できます。
とはいってもSIMフリー端末を購入している人なんて極々一部です。
ほとんどの方は大手キャリア三社で携帯端末を購入していますよね。
実は大手キャリア三社の端末にはSIMロックというものがかかっており、自社発行のSIMカード以外の他社SIMカードを差し込んでも使えない(電波が入らない)仕様にしております。
つまりdocomoで携帯を買った場合はdocomoが発行したSIMしか使えませんしauで携帯を買った場合はauが発行したSIMしか使えません。
※三キャリアの回線と格安SIMの使っている回線が同じならばそのまま利用できます。例.docomo(au)端末でdocomo(au)の回線を利用している格安SIMを使用した場合など
大手キャリアとしては簡単に他社乗り換えてもらわないようにするためなのでしょうが、これ相当やっかいですよね。
このSIMロックがある以上格安SIMは使えないのです。
しかし、大丈夫です。このSIMロック、解除できます!!
SIMロックを解除する方法
さてさて、ここまで読んでいただいている方なら、当然「SIMロックなんて解除したい!」と思っている方も多いでしょう。
その方法をお教えしましょう。
ずばり
- キャリアショップ(docomoショップ、auショップ、ソフトバンクショップ)に行って解除する(3,000円)
- 自分でオンライン(インターネット)から解除する(0円)
の2つです。
簡単なのが、キャリアショップに行って解除してもらう方法。ただし、手数料の3,000円がかかります。安くしたいためにSIMロック解除するのにお金がかかってしまうんじゃ本末店頭ですよね。
やはりタダで済ますために自分でインターネットから申し込みましょう。
SIMロック解除のための条件など注意事項
SIMロック解除にはちょっとした条件がありますので、自分が該当しているのかチェックしてから行いましょう。
■docomo
・2015年5月以降に発売された機種
・端末購入日から100日経過していること(「過去にSIMロック解除を行っておりその受付から100日経過した場合」「一括払いで購入または分割払いで購入し、分割支払金/分割払金を精算した場合」は即日可能)
・解約済の場合は、解約日から100日以内であること(手続きは契約していた本人のみ可能)
■au
・2015年5月以降に発売された機種
・端末購入日から180日経過していること
・解約済でもSIMロック解除可能 (端末契約者本人以外でもSIMロック解除可能)
■ソフトバンク
・2015年5月以降に発売された機種
・端末購入日から180日経過していること
・解約済の場合は、解約日から90日以内であること(手続きは契約していた本人のみ可能)
三社とも「2015年5月以降に発売された機種」が対応となっていますね。iPhoneでいうと6s以降の発売機種になります。
そして、一番重要なポイントとして端末購入日から180日(100日)経過していないとSIMロック解除はできません。つまり、「端末だけ大手キャリアで買ってすぐに格安SIMを使うことができない」ということです。
これは気を付けないといけないですね。
docomoだけ端末購入日から100日経過でSIMロック解除できますね。もともとはauやソフトバンクと同じく180日経過しないとSIMロック解除できなかったのですが、2017年5月24日以降、条件を緩和しています。今後、auとソフトバンクが追随するのでしょうか。
またauに関しては解約後、どれだけ日数が経過していても誰でもSIMロック解除ができます。つまり中古端末でもSIMロック解除ができるのです。これは大きなメリットですね。
対して、ソフトバンクはやや条件が厳しいですね。というのも、そもそも格安SIMはほとんどがdocomoもしくはauの電波を使っております。
前述した通りキャリアの回線と格安SIMの使っている回線が同じならばSIMロック解除しなくても利用できるので、相対的にソフトバンクが一番SIMロックの需要が高いことになります。それゆえに条件が厳しめなのでしょうね。
実際にSIMロック解除してみた
僕自身、ソフトバンクのiPhone6sを使用しており先日実際にオンラインでSIMロック解除をしたのでそのやり方をお伝えします。
※格安SIMにしたいわけではなく、夏に海外旅行に行く予定なので、現地でプリペイドSIMを使うためです。
1.「My Softbank」に入り、「契約確認」を押す

2.一番下までスクロールして、「SIMロック解除対象機種の手続き」を押す

3.下までスクロールして、「製造番号(IMEI番号)」を入力する。※製造番号(IMEI番号)は「設定」→「一般」→「情報」→「IMEI」で確認可能。コピペしましょう。

4.「解除手続きをする」をクリック

5.これで手続きは完了!あとはSIMを入れ替えます。
6.iPhoneの場合は右側側面に穴があり、iPhone購入時に付属していたピンセットがを差し込めばSIMカードを取り出す(入れ替える)ことができます。
7.今回はdocomoのSIMカードに入れ替えました。すると、、左上の文字がSoftbankからdocomoに変わっています。

これでSIMロック解除の手順は以上になります。
※他の方の体験例ではアクティベートや初期設定をする旨がありましたが、僕は一切必要なく、SIMを差し替えてそのまま利用できました。
これで安心して海外旅行に行くことができます。
SIMフリー端末を新たに購入して格安SIMを使う方法もある
今回は主に今もっている端末(大手三社の携帯)をSIMロック解除して、格安SIMを使う方法をお伝えしました。
しかし、文中でもお伝えしましたが、何もわざわざSIMロック解除せずともSIMフリー端末を使えば格安SIMは利用できます。
とはいえ本体代金が追加でかかってしまうので「今現在ガラケーを使っていて今後スマホを使いたい(新たに購入しようとしている)人」以外はオススメしません。
携帯料金を下げるために様々工夫しているので、極力お金をかけることがないようにしましょう。
まとめ
- 格安でスマホを使うには格安SIMを使うこと
- 格安SIMを使うにはSIMフリー端末を使う必要がある
- 大手三キャリアの端末にはSIMロックがかかっているので、格安SIMを使うにはSIMロック解除が必要
- 格安スマホを使うためにSIMフリー端末を購入する方法もある
となります。格安スマホの概念的な部分が理解できれば嬉しく思います。
よく分からないからいいやと思っていた方も是非SIMロック解除に挑戦してもらえればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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